又吉直樹、押切もえ……芥川賞ら文学賞を芸能人がとるのはイヤですか?
芸能人と文学賞①
誰がどんなふうに受賞してもいい
私は、文学賞なんて誰がどんなふうに受賞してもいい、と思っています。何でそこで批判する人が出てくるのか、よくわからないんですが、少なくとも文学賞は面白い現象だと、改めて確認することはできました。
元来、文学賞の大きな役割の一つは、決して万人に一致した答えがあるわけじゃない「文学」をめぐって、さまざまな発言を誘発することにあります。果たして有意義なのか不毛なのか、判断はつきませんけど、甲論乙駁のさまは、わきから見ているだけで十分にエンターテインメントです。さらに、そこに芸能人が関わることで、ノイズやクソリプ含めて、大量に意見が飛び交い、話がごちゃごちゃになっていく。文学賞にとっては損など見当たりありません。益ばかりです。
次回、そんな益=面白さにまみれた最近の文学賞と芸能人の事例を見ていきます。〈2017年7月刊行『芸能人と文学賞』より構成〉
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